
海ノ民話のまち認定証とDVDを贈呈される飛騨市の都竹淳也市長(写真右)と、日本昔ばなし協会の沼田心之介代表理事(写真左)
岐阜県飛騨市の宮川町に伝わる民話『嫁が淵』が、日本昔ばなし協会と日本財団の共催する「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環としてアニメ化された。アニメ『嫁が淵』は約5分の映像作品で、豊かな水資源を背景にした地域の文化を次世代へ継承する目的で制作されている。
宮川町の水資源と民話『嫁が淵』が伝えるもの
宮川町は東西が山地で、豊かなブナの森を水源とするミネラル豊富な宮川が縦断しており、主な集落は川沿いに形成されている。この宮川は岐阜県高山市から飛騨市へ、富山県境にて高原川と合流後は神通川となり、富山湾へと繋がる一級河川。飛騨の山間部から湧き出る水を集め、アユなどの川魚も生息しており、重要な水資源として地域に大切にされている。
この地に伝わる民話『嫁が淵』は、巡礼の娘が家族に迎えられながら、正体は大蛇であったという神秘的な物語で、地域の自然と暮らしが深く結びついている。この民話は、川が生活に不可欠なこの地域の住民へ、水害のおそろしさと水の恩恵を伝えている。
完成報告会&上映会を開催
1月23日(金)、宮川町コミュニティセンターにて、アニメ『嫁が淵』の完成報告会と上映会が開催された。また同日、アニメ監督で日本昔ばなし協会代表理事の沼田心之介さんが、岐阜県飛騨市の都竹淳也市長を表敬訪問。「海ノ民話のまち」として飛騨市を認定し、認定証と完成したアニメDVDを贈呈した。
都竹市長は「作品を通じて地域の水と共に暮らしていることを改めて感じられ、印象に残る形で残してもらい大変うれしい」、沼田代表理事は「民話は日本の貴重な文化遺産であるが、消滅の危機にあります。このアニメを通じて民話の大切さを発信していきたい」と語った。


完成報告会後には、飛騨まんが王国で毎年夏に合宿している賢プロダクションから、同作品でキャストを務めた声優・四宮豪さんと冨田泰代さんを講師に、宮川小学校・河合小学校の児童を対象に声優体験ワークショップを実施。児童たちは、発声・滑舌練習、音読、アフレコ体験を通じて声優の仕事について学んだ。


参加した児童は、「地名とか慣れない言葉が言いにくく、詰まったりしてむずかしかったけど上手にできました。大きくなったらやってみたい」と体験を楽しんだという。
アニメ『嫁が淵』の概要
アニメ『嫁が淵』の作品時間は5分程度。深い森を流れる宮川のほとりの宿屋を舞台に、美しい巡礼姿の娘がやがて嫁となり、家族を支え村人からも慕われながら、正体は大蛇であることが明らかになる。息子はそれを受け入れようとするが、嫁は深い淵へ消える。村人はその淵を「嫁が淵」と呼ぶようになった、というストーリーだ。
語りを賢プロダクション所属の四宮豪さんと冨田泰代さん、脚本を神尾香菜子さん、キャラクターデザイン等をところともかずさん、キャラクター原案を西原理恵子さん、監督を沼田心之介さん、アニメーション制作をトマソンが担当している。
同作品のDVDは、宮川振興事務所、図書館、飛騨まんが王国などで貸出予定。また、YouTubeでも一般公開している。
「海ノ民話のまちプロジェクト」について
「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本全国の海や川にまつわる民話をアニメ化・記録し、地域を「海ノ民話のまち」として認定。海と地域のつながりを未来へ伝える取り組みだ。これまでに90の自治体から92作品をアニメ化し、アーカイブしており、海のない岐阜県では最初の作品となる。
宮川町の文化を次世代へ継承する、アニメ『嫁が淵』を楽しんでみては。
アニメ『嫁が淵』YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=GPowlsc0BNE
飛騨市 HP 『嫁が淵』アニメ化詳細:https://www.city.hida.gifu.jp/site/koho/2026-01-23-2.html
海ノ民話のまちプロジェクト HP:https://uminominwa.jp
(yukari)